有珠湾はしみじみ いい景色 意外だった「親子の山」の姿
洞爺ガイドセンター代表 小川 裕司今回は伊達市の特集ということで、前回同様、“私のお気に入り”の視点で書いてみようと思う。現在は冬。まず「一番寒い(冬っぽい)」ところから始めよう。
普段から新聞の天気予報でも段違いの最低気温と言えば、伊達市大滝区だろう。
長流川沿いで見かける霧氷はいろいろと思わせるものがある。あれだけの寒さを考えると、この辺りの霧氷は比較的頻繁に出来ているのではないか? ならば霧氷が見られる朝は道路も滑りにくいだろう。だから車は皆早めなのか? そこにエゾシカが通りかかったらどうするんだ? 彼らは山がしばれてしまっているので、長流川まで水を飲みに来るんだぞ…。と、想像が続く。
長流川や大滝で連想を続けると…、実際、空港に行くときに通る453、276号線はいつも楽しみな道路である。自分で運転しているのについつい周囲を見回しながら、あるときは川沿いの霧氷や時にエゾシカに見とれ(危ない!)。ある時は冬の美笛峠でウサギやスキーヤーの足跡を探し(だから危ない!)。
そして、自分の中で嬉しい誤算だったのが、大滝の山側である。普段は国道を使っていたので、一段上の丘に出てみるとその景色は意外だった。
山に沈む夕陽がとても幻想的で、南東側にはシンプルだが力強い徳舜瞥山とホロホロ山があり、目の前の広大な農地がゆるやかな広がりを見せている。
以前紅葉の時に再び山側を通ってみた。その時に橋から見下ろした徳舜別川の水の透明さは水の深さを感じさせず、まるで吸い込まれそうだった。そして道端に見つけたカラマツは、太陽を透かしながら黄金色に輝いていた。

次は「暖かいところ」。
この辺りで春が一番早く来るのはご存じ伊達市である。そんな伊達市で個人的に気に入っているのは…まだ気が早いが、桜の時期になるとつい足が向いてしまうのが有珠山登山口へ至る並木道だ。ここのエゾヤマザクラはまるで有珠山への登山客を優しく出迎えているようだ。朝から晴れてぽかぽかした日は、ついこの場所を思い浮かべてしまう。
季節を問わずに好きな道もある。壮瞥町立香から伊達市西関内に続く道路だ。ここから有珠山と昭和新山を見ると、二つが親子なんだなぁと実感できる。そして伊達市の方角に目を向けると、本当に「北海道らしい」雄大な農地の景色が広がる。
海に出てみた。夕陽が美しいアルトリ岬であえて振り返る。「有珠山が崩れてここが出来たのか」と感慨にふけり、砂浜で貝殻を見つけて、火山の恵みにも思いを寄せる。
以前雨の日に善光寺周辺を走った。あの、どことなく漂う「本州っぽさ」はやはりお寺の影響なのか? 歴史があり、地形や家に合わせて道が曲がりくねっている。その辺りかな。ふと右手を見ると静かな有珠湾が広がり、向こうの狭そうな水路から1隻の漁船が戻ってくる。しみじみ、「良いな、伊達」の瞬間だった。